校長挨拶

 坂井高等学校は、県内最大の総合産業高校です。本校は様々な教育活動を通して、学校の魅力度向上に取り組んでいる地域の学校でもあります。本校のキーワードである「総合」「産業」「学校の魅力」「地域の学校」について考えてみましょう。

 まず「総合」とはなんでしょうか。「2+2+2+2=8」は、総合ではありません。加えただけで、新たなことが生み出されていないからです。坂井高校は、春江工業高校と坂井農業高校、さらに、金津高校の商業科、三国高校の家政科の伝統が掛け合わされ、全く新しい学校として生まれ変わりました。「2×2×2×2=16」となってこそ、本当の「総合」だと思います。坂井高校は、様々な産業を掛け合わせた共通価値を生み出すことができる、県内最大の総合産業高校です。

 次に「産業」についてです。産業とは人間が生きていくうえで必要なものを生み出す活動で、一般的に第1次産業、第2次産業、第3次産業に分類されます。最近では「6次産業化」が進んできました。6次産業化とは「第1次×第2次×第3次」、すなわち農業と工業と商業を掛け合わせることで新しい産業を生み出そうという新しい考え方です。坂井高校には4学科8コースがあり、新しい時代に求められる6次産業化を推進できる総合産業高校です。

 つぎに「学校の魅力」について考えてみましょう。魅力には3つの要素があると思います。それは「見映えの良さ」と「中身の良さ」と「発信の良さ」です。新商品の開発ではこの3つの要素は欠かせませんが、学校も同じだと思います。坂井高校は統合されて6年目です。明るい校舎と最新の実習棟、テクノラボやサイエンス棟など、他校には見られない素晴らしい教育環境が整った、たいへん見映えの良い学校です。また、各コースともにカリキュラムが充実しており、基礎学力の定着や最新の技能が身につく教育活動の中身の良さにも自信があります。さらには、坂高マルシェでの販売活動や、観光振興などの各種提案やボランティア活動など、地域から世界に発信するちから強さのある高校です。これからも、この3分野の良さに磨きをかけ、全国から、さらには世界から注目される総合産業高校を目指します。

 最後に「地域の学校」について考えてみましょう。いままでは、地域の学校といえば小学校や中学校だと思われてきました。しかし少子化と人口減少が進み、さまざまな地域の課題がでてきたことから、地域を支える人材を育成する高等学校こそが、これからの時代に最も大切な「地域の学校」であると考えられるようになってきました。文部科学省も昨年から全国の「地域の学校」を育成するプロジェクトをスタートさせています。坂井高校は、今まで多くの地域を支える人材を育ててきました。これからも地域の、地域による、地域のための学校として、地域から信頼され、愛される学校づくりを目指します。

 本校の校名の「坂井」は、奈良の東大寺正倉院に保存されている8世紀の文書にその地名が記されています。1300年もの歴史と伝統のある「坂井」の名のもとに、新しい時代を拓く魅力ある総合産業高校として力強い歩みを続けてまいります。ともに新しい歴史をつくってまいりましょう。

平成31年4月1日

福井県立坂井高等学校 校長 山口 明彦